においがしない

       

においがしない

 鼻の最上部、嗅裂(きゅうれつ)と呼ばれる部位に嗅粘膜があります。嗅粘膜に「においの分子」が到達すると、嗅粘膜の表面にある「嗅神経上皮」から脳へ情報が送られ、処理されることで嗅覚を認知します。かぜアレルギー性鼻炎慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症などで「におい分子」が嗅上皮まで到達できないと臭いがしなくなります。また、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど上気道炎を起こすウイルスに罹患して嗅神経の細胞自体がダメージを受けると嗅覚が障害されます。その他、交通事故などで頭部に外傷を受けた後に発症することもありますし、加齢によって嗅覚が低下してゆくことも知られています。近年ではアルツハイマー病やパーキンソン病において、嗅覚障害の有無が早期診断に有用であるとの研究結果が報告されています。

 嗅覚障害の治療は、まず原因を診断し、原因に対する適切な治療を行います。具体的には鼻炎に対する内服や手術、およびステロイド剤の投与などがあります。漢方薬の有用性も報告されています。また、嗅細胞は日々再生するとされているので、嗅覚トレーニングによるリハビリテーションも有効な治療とされています。

   

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