片方の顔面に違和感を感じる、まぶたが閉じにくくなる、水を飲むと口から漏れてしまうといった症状は顔の一部が動かなくなっている症状の可能性があり、これを顔面神経麻痺といいます。顔面神経には、涙や唾液の分泌に関わる神経、味覚をつかさどる神経、大きな音から内耳を守るために鼓膜の動きを調節する神経などが含まれています。そのため、麻痺と同時に、涙や唾液が出にくい、味覚障害、音が響いて聞こえるなどの症状を伴うこともあります。はっきりした原因がなく顔面神経麻痺だけが生じる場合は、最初の報告者にちなんでベル麻痺とよばれる顔面神経自体の疾患(末梢性顔面神経麻痺といいます)ですが、まれに脳のレベルでの異常による顔面神経麻痺もあります。ベル麻痺は、体内に潜んでいたヘルペスウイルス属の再活性が病因と考えられています。顔面神経麻痺と同時に耳の周囲に水疱(帯状疱疹)が出現する場合はハント症候群とよばれ、めまい、難聴、耳なりなどを伴う重症の麻痺となることが多いです