顔の痛みは、皮膚や筋肉だけでなく、鼻や副鼻腔、歯、顎関節、神経など、顔のさまざまな組織の異常によって生じます。痛みの感じ方も、重苦しい痛みや圧迫感、ズキズキする痛み、電気が走るような鋭い痛みなど原因によって異なります。
耳鼻咽喉科領域で比較的多くみられる原因として、副鼻腔炎があります。副鼻腔に炎症が起こると、頬やおでこ、目の周囲に痛みや圧迫感が生じることがあります。特に前かがみになった際に痛みが強くなることが特徴で、鼻づまりや鼻汁、嗅覚低下を伴うこともあります。また、上あごに生じた虫歯などの病気が頬や顔全体の痛みとして感じられることもあります。顎関節症も顔の痛みの原因としてよくみられます。耳の前やこめかみ付近に痛みが現れ、口を開けたり食事をしたりする際に症状が強くなることがあります。さらに、三叉神経痛では顔面の一部に電気が走るような激しい痛みが繰り返し起こり、洗顔や歯磨き、会話などの軽い刺激で誘発されることがあります。
そのほか、帯状疱疹では発疹が出現する前から顔面に強い痛みが生じることがあり、頭痛や神経痛が顔の痛みとして感じられることもあります。また、頻度は高くありませんが、鼻や副鼻腔、唾液腺などの腫瘍が慢性的な顔面痛の原因となることもあります。