嚢胞(のうほう)とは内部は液体成分が充満している袋状の構造物で、体にできる水風船のようなものです。頸部では側頸(そくけい)嚢胞、正中頸(せいちゅうけい)嚢胞、リンパ管腫、皮様(ひよう)嚢腫、類上皮腫などさまざまな種類の嚢胞が知られています。まれに鰓性(さいせい)がんと呼ばれる悪性の嚢胞であったり、がんが転移したリンパ節が嚢胞のように腫れることもあるので注意が必要です。
良性の嚢胞の場合、症状は頸部の腫れのみであることが多く、炎症をともなうと痛みや周囲組織との癒着が出現します。針を刺して溜まっている液体成分を吸引することで縮小させることはできますが、効果は一時的でまた液体成分が溜まってしまうことが多いです。根本的な治療としては手術による嚢胞の摘出が最も一般的に行われます。嚢胞壁が薄いリンパ管腫では薬剤注入が選択されることもあります。
悪性腫瘍による嚢胞の場合は手術だけでなく放射線治療や抗がん剤などを組み合わせた集学的治療が行われます。